1955年 大阪球場 日本シリーズ第7戦

『 3連敗からの逆転Ｖで4度目の日本一』

両チーム3勝ずつとなりこの年の頂点を決する大一番となった第７戦。南海が勝てば宿敵巨人を下して初の日本一となり巨人が勝つと4度目の日本一が決定する最終戦。巨人は最も信頼の出来る別所を差し向けると対する南海はこのシリーズ2勝を博している戸川を初先発で起用し始まった。初回・先頭の南村がレフト前へ運び出塁。続く平井がキッチリ送り・スコアリング・ポジションにランナーを置き先制のチャンスに3番藤尾を迎えたがサードゴロに仕留められ、続く4番川上を四球で歩かせたが、5番柏枝をファーストゴロに抑え立ち上がりのピンチを脱した。2回裏一死から岡本が2塁打を放ちチャンスを作るが後続が凡打し好機を逃した。4回表巨人が一死から川上が出塁・盗塁を試みたがサインミスからか2塁手前でアウトとなった。その直後・柏枝が3塁線を抜く2塁打を放っただけに川上の2塁死が悔やまれた。両チーム決め所が無く4回まで共に無失点で迎えた5回表遂に均衡が破れ、先頭・加倉井が2塁打で出塁・続く広岡が四球を選び別所が送りバントを決めた際南海の守備が乱れフィルダースチョイスになり無死満塁の絶体絶命のピンチ・・ここで戸川は無念の降板・・代わって中村にマウンドを託したが南村に対する初球・強振した打球がセンターへの大飛球となり3塁ランナーが生還。その後は2者を凡打に打ち取り最少失点で切り抜けマウンドを降りた。巨人の大黒柱・別所からすればこの一点で充分であった。8回までを無失点で抑え守り抜くと最終回・味方打線が爆発する。この回から南海バッテリーが小畑・筒井に代わった。先頭・岩本に死球を与えるとすかさずスチール・・焦った筒井の送球が外野に転がり岩本は一気に3塁へ到達。加倉井への初球・簡単に外野へ運びあれよあれよと言う間に追加点を献上してしまった・・この回緊張の糸が切れたか3点を失いこれで『勝負あり』2年ぶり4度目の日本一を3連敗からの逆転の日本一で決め幕を閉じた。